BLOG ブログ

ADHDのいいところ・強み10選|長所を仕事で活かす方法を就労支援の現場から解説 

ADHDのいいところ・強み10選|長所を仕事で活かす方法を就労支援の現場から解説 

ADHDについて調べると「集中できない」「ミスが多い」といった困りごとが目につくことがあります。

一方で、ADHDのある方には、好きなことへの集中力や発想力、行動力などが強みとして現れることもあります。

この記事では、研究で報告されたADHDの強みと、その見つけ方・仕事での活かし方を、熊本市のサック就労移行支援センターが解説します。 

この記事でわかること

  • ADHDのいいところには、好きなことへの集中力・発想力・行動力などが強みとして現れることがあります
  • 自分の強みを知って暮らしに取り入れている方ほど、満足度や幸福感の高い傾向が見られます
  • 自分のいいところは、経験の振り返りなどで見つけ、職場の環境を整えることで仕事に活かせます
【この記事を書いた人】サック就労移行支援センター 副施設長 平木邦昭(社会保険労務士・ジョブコーチ)

・2023年10月に熊本市西区で開設した就労移行支援事業所
・社会保険労務士2名とジョブコーチ(職場適応援助者)が在籍
・就労移行支援・就労選択支援・就労定着支援に対応在籍している

社会保険労務士と深い関係のある顧問先企業への就職が多く、高い就職実績を誇ります。

サック就労移行支援センター(JR熊本駅から車約7分・熊本駅から無料送迎あり)
電話:096-288-4328

ADHDのいいところ(強み)|研究で挙げられた10の強み

ADHDの強み

ADHDには、好きなことへの強い集中力や創造力、直感力など、強みとして活かせる特性があります。

ADHD(注意欠如多動症)は、不注意や多動性・衝動性などの特性がみられる神経発達症(発達障害)の一つです。大人になってから、仕事や人間関係の中で自分の特性に気づく方もいます。

厚生労働省も、ADHDの特性として、好奇心が旺盛で、エネルギッシュにさまざまなことに取り組む傾向を挙げています。

英国とオランダの大学の研究チームが2025年に学術誌『Psychological Medicine』で発表した研究では、ADHDのある方が、ADHDのない方より高く評価した強みが、25項目のうち10項目ありました。

以下の表では、この研究で挙げられた10の強みと、それぞれが活きる場面、困りごとにつながる場面の例を紹介します。

強み活きる場面裏返しで出やすい困りごとの例
ハイパーフォーカス(好きなことへの強い集中)興味のある作業に、時間を忘れて深く取り組める関心の薄い作業に、集中を保ちにくい
創造力新しい案や、これまでにないやり方を思いつける思いつきを形にする段取りが、後回しになりやすい
想像力企画や物語を、豊かに思い描ける空想に入り込み、目の前の作業から気がそれやすい
ユーモア場の雰囲気を和ませ、人との距離を縮められる冗談が場に合わず、誤解されることがある
即興力(その場で動ける)予定外の出来事にも、その場で対応できる計画を立てて進めることが、苦手になりやすい
何にでも挑戦する姿勢未経験のことにも、気後れせず取り組める準備や確認が不十分なまま、始めることがある
チャンスを見つける力新しい機会や可能性に、早く気づける次々に目が移り、1つのことを続けにくい
幅広い興味多くの分野に関心をもち、知識の幅が広がる興味が移り、深まる前に離れることがある
イメージで考える力全体像を図や映像で思い描き、整理できる手順を言葉にして説明するのが、後回しになりやすい
直感力(勘の鋭さ)判断が早く、ひらめきで道筋が見える判断を急いで、確認を飛ばすことがある

いいところの現れ方は人それぞれなので、まずは自分に近いものを探してみましょう。

参考:こころの情報サイト|発達障害(神経発達症)(国立精神・神経医療研究センター)

参考:厚生労働省|発達障害の特性(代表例)

参考:Hargitai, Laan, Schippers, Livingston, Fairchild, Shah, Hoogman(2025年10月6日発表)「The role of psychological strengths in positive life outcomes in adults with ADHD(成人ADHDにおける心理的な強みと、良好な生活の結果との関係)」Psychological Medicine
( https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12527501/  )

ADHDのいいところを理解すると、生活の満足度や幸福感が高まる

ADHDのいいところを理解すると、生活の満足度や幸福感が高まる

自分の強みを理解して暮らしに取り入れている方ほど、満足度や生活の質(QOL)が高い傾向があります。

先ほどの研究では、参加者が自分の強みをどれだけ知り、どれだけ生活に活かしているかと、暮らしの満足度との関係も調べています。

【調査でわかったこと】

  • 強みを知っている方ほど、生活の満足度も、生活の質も高かった
  • 自分の強みをよく理解している方ほど、うつ・不安・ストレスなどの症状が少ない傾向があった
  • この傾向は、ADHDのある方にも、ない方にも見られた

ただし、この研究は因果関係を示したものではありません。

「強みを知れば必ず幸福になる」という意味ではなく、強みの理解・活用と良好な生活の状態に関連がみられた、と捉えるのが適切です。

ADHDのいいところを見つける3つの方法

ADHDのいいところを見つける3つの方法

ADHDのある方が自分のいいところを見つける第一歩は、自己理解です。

自分のいいところは、自分では当たり前だと思っていることが多く、意識しないと気づきにくいものです。

そのため、まずは次の3つの方法で、自己理解を深めていきましょう。

夢中になった経験を振り返る

まず、夢中になった経験を紙やスマホのメモに書き出して振り返ります。

【書き出す内容】

  • 時間を忘れて取り組んだこと
  • 人からよく頼まれること
  • 他の方より早く終わった作業

書き出したら、10の強みの表と見比べて当てはまるものを探しましょう。

周りの人に聞く

家族・友人・職場の方に「私のいいところはどこ?」と聞いてみましょう。

自分では当たり前だと思っていることが、周りの方から見ると強みに見える場合もあります。

困りごとを裏返して考える

困りごとを裏返すと、いいところが見つかることがあります。

【裏返しの例】

  • 1つのことに飽きやすい → 興味の幅が広い
  • 思いついたらすぐ動いてしまう → 行動力がある
  • 段取りより発想が先に出る → アイデアが豊か

こうして自己理解を深めておくと、次に紹介する環境調整で、何を重視すればよいかも見えてくるはずです。

ADHDのいいところを活かせる職場の選び方

ADHDの強みを仕事で活かすには、仕事内容だけでなく、指示の出し方や作業環境が自分に合っているかも重要です。

職場を選ぶときは、次の3つを確認しましょう。

職場で確認すること合っている場合
興味のある分野の仕事か集中力が活きやすい
指示を文字でも伝えてもらえるか聞き逃しを防ぎ、発想力や行動力に力を使える
いくつかの作業が組み合わさった仕事を、自分が理解しやすい作業ごとに分けてもらえるか1つずつ集中しやすい

職場に配慮を相談するのは、わがままではないのです。

事業主には、障害のある方への合理的配慮の提供が義務とされています。

参考:厚生労働省|雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮

仕事で「向いていない」と感じた経験は、能力が足りないからではなく、特性と職場の環境が合っていなかっただけという場合もあります。

仕事が続かない原因と対策は「ADHDで仕事が続かない原因と対策」の記事、いいところを活かせる仕事については「ADHDに向いている仕事」の記事で紹介していますので、合わせてご覧ください。

ADHDのいいところを活かす仕事探しは就労移行支援事業所で

ADHDのいいところを活かす仕事探しは就労移行支援事業所で

引用元:サック就労移行支援センターInstagram

就労移行支援事業所では、自己理解を深めながら、自分に合う仕事や職場環境を整理できます。

就労移行支援事業所は、就職を希望する原則65歳未満の障害のある方が、訓練や求職活動の支援を受けられる事業所です。

サック就労移行支援センターでは、社会保険労務士やジョブコーチが、企業見学・職場体験・企業との環境調整まで支援しています。

支援の詳しい内容はプログラム紹介で紹介していますので、合わせてご覧ください。

参考:厚生労働省|就労移行支援について

ADHDのいいところのよくある質問

ADHDのいいところに関して多い質問に、2つ答えます。

ADHDは「天才」「頭がいい」と言われるのはなぜ?

ADHDのある方すべてが、突出した才能をもつわけではありません。「天才」と言われるのは、集中力や発想力が目立つ場面があるためです。

ただ、ADHDだから頭がよいと言い切れる根拠はなく、強みの現れ方も人それぞれです。

ADHDで「優しすぎる」と言われるのはなぜ?

ADHDだから優しい、と言える根拠は確認できていません。

ただ、ADHDのある方が「優しすぎる」と見られやすい理由は、一般的に次のとおりだとされています。

  • 衝動性の影響で、困っている方を見ると、すぐに手を貸してしまう
  • 頼まれたときに、よく考える前に引き受けてしまう
  • 相手の様子に敏感で、断ると嫌われないかと気を使いすぎてしまう

こうした理由が重なって「優しすぎる」と言われることがあります。

ADHDのいいところは、環境が合えば強みになる

ADHDのいいところは、自分の特性を理解し、環境を整えることで、仕事でも強みとして活かせます。

ただ、ADHDの強みが分かっても「どんな会社なら活かせるのか」「面接でどこまで伝えるか」「職場にどんな配慮をお願いするか」を1人で判断するのは簡単ではありません。

サック就労移行支援センターでは、一人ひとりの特性や得意・不得意を整理したうえで、仕事探しだけでなく、企業見学・職場体験、企業側との環境調整までサポートしています。

熊本市周辺で、ADHDの強みを活かせる仕事を探したい方は、サック就労移行支援センターにご相談ください。

「自分にはどんな仕事が合うのか」「どんな配慮があれば働きやすいのか」といった段階から、一緒に整理していきます。

サック就労移行支援センター(熊本市西区の就労移行支援事業所)

  • 場所:熊本市西区・JR熊本駅から車約7分
  • 電話:096-288-4328
サック就労移行支援センターの相談窓口