私たちを支えてくれる「レジリエンス」について
こんにちは!サック就労移行支援センターです。
皆さんは「レジリエンス」という言葉を耳にしたことはありますか?
一見すると少し難しそうな言葉ですが、実は日々の生活や仕事、そして就職を目指すうえでも非常に大切な考え方です。
本記事では、「レジリエンスとはどういうことなのか?」をわかりやすくご紹介していきます。
目次
レジリエンス(Resilience)とは?
つらい出来事や、困難な状況などに対する、心の回復力のことを指します。
レジリエンス力を高めることは、ストレスやプレッシャーに強くなるだけでなく、前向きな思考や行動を持つことにもつながります。
🌟レジリエンス=心の回復力
心の回復力(レジリエンス)が高い人の特徴
1.自己洞察力
自分の感情や行動パターンを客観的に理解している。
(客観的:特定の立場にとらわれず、物事を見たり考えたりするさま)
2.感情制御力
ストレスを強く感じている状況でも、感情を適切にコントロールできる。
3.問題解決スキル
困難な状況を分析し、前向きな解決策を見出せる。
(例:[課題]入力業務で、ミスがなくならない。[原因特定]上司がチェックをするからと、見直しが大雑把なってしまっている。[解決策]丁寧に見直す。改善しない場合は、マーカーなど道具を使ってチェックする)
4.コミュニケーション力
自分の思いを適切に伝え、周りの人から支援を得ることができる。
5.自律性
周りの人に依存するのではなく、自分で意思決定し行動できる。
6.目的意識
自分の人生の目的や意義を発見し、それに向かって前へ進んでいける。
7.楽観性
物事の明るい面に目を向け、希望を失わない。
心の回復力(レジリエンス)が高い人の例
営業部のAさんは、難しい対応が必要なお客様への提案を任されました。提案が受け入れられる可能性は低く、周囲からは絶対に無理だと思われていました。ですが、Aさんは諦めずに、お客様が何を求めているのかを深く理解しようと努力しました。
何度も対話を重ね、試行錯誤を繰り返しながら、お客様専用の独自の提案を作り上げました。
プレゼンテーションでは、想定していた質問に加え、予想外の厳しい質問も飛び出しました。ですが、Aさんは動揺することなく、冷静に対応しました。
🌟心の回復力が高い人は、職場で高い成果を上げ、活躍している場合が多いといえます。
🌟また、心の回復力が高い人は、自分を認める力も高い傾向にあります。
心の回復力(レジリエンス)が低い人の特徴
1.感情制御が苦手
ストレスに強く影響され、感情的になりやすい。
2.問題回避的
困難な状況から逃げ出し、現実と向き合おうとしない。
3.自己否定的
困難に直面すると自分を責め、何もやる気が出ない状態に入り込みやすい。
4.硬直的
考え方や行動パターンを変えようとせず、変化を受け入れられない。
5.悲観的
物事の悪い面ばかりに目が向き、希望を持てない。
6.自己理解の不足
自分の強みや価値観がわからず、自信が持てない。
7.孤立感
一人で問題を抱え込み、周りの人に助けを求められない。
心の回復力(レジリエンス)が低い人の例
Bさんは、会社が新しいシステムを導入することになった際、強い抵抗を示しました。「今までのやり方で十分なのに」と愚痴をこぼし、変化を受け入れようとしません。
見かねた上司が注意をすると、「私の人格まで否定された」と過剰に傷付いた様子を見せ、あからさまに不機嫌になります。
🌟企業としては「心の回復力が高い人材を採用し、低い人材は避けるべきだ」と考えがちかもしれません。しかしながら、心の回復力が十分に育まれていない背景には、理由があります。
心の回復力(レジリエンス)が低くなる理由
低くなる理由は、個人によって異なります。
あくまで一例ですが、以下のような要素が影響するといわれています。
1.認知の歪み
物事を悲観的・否定的に考えようとする傾向がある。
2.スキル不足
問題解決やストレス対処のスキルを十分に身に付けていない。
3.トラウマ体験
事故や災害、暴力などの強いストレス反応を生じる出来事を経験した。
4.幼少期の辛い体験
虐待や育児放棄など、幼少期に安心・安全が脅かされる環境にあった。
5.養育環境の問題
過保護・過干渉、あるいは放任・無関心など、適切な養育を受けられなかった。
🌟周囲に心の回復力が低く見える人がいる場合、それだけでその人を決めつけるのは早計です。本来、高い能力と魅力的な資質を兼ね備えているにもかかわらず、さまざまな背景から、心の回復力がまだ身に付いていないだけなのかもしれません。
🌟適切なサポートを受け、意識的なトレーニングを積み重ねることで、心の回復力は自分で高められる可能性があります。
心の回復力(レジリエンス)を高めるために大切なこと
1. 前向きな思考
つらい出来事に直面したときに、前向きな側面を見つけ出すことを意識しましょう。挑戦を成長の機会として捉えることで、困難に対して耐える力が向上します。
・達成可能な目標を立てる。 ・楽しい思い出を振り返る。
・原因よりも改善策を考える。 ・周囲へ感謝する。
2. サポートネットワークの構築
友人や家族、同僚など、信頼できる人々とつながりを持つことが重要です。サポートネットワークがあることで、困難な状況に対する対処が楽になります。
・医療機関や、専門機関とのつながりを持つ。
・困った時に相談できる場所をつくる。
(かかりつけ医、相談支援事業所、就労移行支援事業所など)
サポートネットワークとは?
(生活を送る上での様々な問題に対して、身近な人々や機関が連携して支援する体制のこと)
3. ストレス管理スキルの習得
瞑想、深呼吸、ヨガ、運動など、ストレスを軽減するための方法を学び、日常生活に取り入れましょう。これらの方法は、心と体のリラクゼーションに役立ちます。
・日光を浴びる。(起床後カーテンを開ける、外を歩く、など)
・シャワーだけで済ませず、湯船につかる。(40℃前後)
・映画や読書などで、泣いたり笑ったりする。
・掃除をするなど、周囲の環境を変える。
4. 柔軟な思考
変化や不確実性に対して柔軟な思考を持つことが大切です。状況が変わったときに適応する力を高めるために、さまざまな視点から物事を考える習慣を身につけましょう。
・普段と違うことをして、視野を広げる。
(遠回りをして帰ってみる、新しい趣味をつくってみる、など)
・時間に余裕をもって行動をする。
(10分、15分早めに動いて、不測の事態に対応できるようにする)
・周囲の意見に耳を傾ける。
5. 目標設定と計画
現実的で達成可能な目標を設定し、それに向かって計画を立てて行動することが重要です。目標を達成することで自信が高まり、心の回復力が向上します。
・「何をやるのか」「どうしてそれをやるのか」「いつまでにやるのか」の3つを意識する。
・いきなりゴールが遠い目標設定をするのではなく、達成できる目標でモチベーションを維持する。
・数字を積極的に使い、曖昧な言葉(考える、頑張る、検討する、など)は避ける。
6. 自己管理
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心掛けることが、心身の健康を保つために重要です。ストレスや困難に対して耐える力が高まります。
・睡眠の質を向上させる。
(換気をする、部屋を真っ暗にする、腸内環境を整えるなど)
・自分のストレスのサインを知る。
(体調不良、物忘れ、遅刻、食事量や飲酒量が増える、など)
・1日3食を基本とし、主食、主菜、副菜を適量摂取する
7. 感情の認識と受容
自分の感情を認識し、受け入れることが大切です。感情を抑え込むのではなく、適切に表現することで、精神的な安定が得られます。
・悲しい、辛いといったマイナスの感情でいることは、いけないことではない。
・ポジティブな日もあれば、ネガティブな日もある。
・自分の感情を認め、周囲の人に話してみる。
8. 学習と成長
過去の経験から学び、成長することを意識しましょう。失敗や挫折から得られる教訓を糧にして、自己成長につなげていきます。日常生活に取り入れることで、困難な状況に対する適応力が向上し、より健全で前向きな人生を送ることができるでしょう。
・失敗=悪いこと、ではない。
・失敗を次の成長につなげる意識を持つ。
・「結果」ではなく「過程」を評価する。
例:自己管理が苦手。特に、薬を飲み忘れてしまうことが多く、1人ではどうしたら良いのかが分からない。
🌟サポートネットワークの構築でカバー!
訪問看護師さんに話を聞いてもらい、自分にはどんな支援が必要なのかをアドバイスしてもらう、など。
レジリエンストレーニングは、変化や困難の多い時代において、自分自身を守り、前に進むための重要なスキルです。本記事が、その理解と実践の一助となれば幸いです。
ぜひ、ご自身のペースで取り入れてみてください。
お悩みの際は、どうぞお気軽に当事業所までご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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